周りの人との距離感について考えてみた

 

道具屋

こんにちは。私はひきこもりの当事者として生活しています。今回は、ひきこもっている方と家族や支援者や友人などの周りの人との距離感について、体験談から考えたことをシェアしたいと思います。


周りの人というと、家族や支援団体や医療関係者などが思い浮かびます。それぞれの人とは距離感が違いますし、職業的な立ち場や役割によって言えないことや配慮しなければならないこともあると思います。わたしは、家族や支援者から助けられたことは自覚していますが、別の距離にいる人の何気ない言葉にも影響を受けることが多いです。

ひきこもり当事者としては、家族や支援者から「配慮の足りない言葉に傷ついた」という経験をしたことがある人も多いと思います。そうした経験があると、配慮の足りない言葉に対して敏感になったり、相手の配慮を見張ったりするようになります。それは、相手にマニュアル通りの対応や言葉を求めてしまうということでしょうか。

でも、そうすると自分も相手も本音や感情を表現できなくなったり、聞き取れなくなったりすることにもつながりますよね。
このように配慮を求める時には、自分が望むような対応や言葉があらかじめ決まっていると思っていて、相手がそれに合わなければ不満や不信感を抱くという姿勢が自分の中にあると言えるかもしれません。
 

 何気ない言葉が持つ力
しかし、家族や支援団体や医療関係者だけがひきこもりの周りの人ではありません。ネットゲームのフレンドや働き出したときの同僚や友達なども周りの人です。彼らは前述の人たちほど配慮する責任もありませんし、配慮の意識も低いかもしれません。それは彼らが悪いというわけではありません。

私は最近、そういう人たちの何気ない言動が効果を発揮し、学びになることがあるのではないかと思うようになりました。

私には私なりの考え方がありますし、それを尊重してほしいと思っています。ただ自分でも分かっていますが、一般的に見れば尖っている考えもあって、あまり不用意に話題にしたり議論したりするべきではない事でない物もあると最近は思っています。
 

ある時、友人から渋い顔をされたり、「そんな考え方は全然受け入れられないよ」というような、辛抱強くなさそうな率直な反応を受けました。その時、「確かにそうだろうな」と納得しました。
支援者などの職業的な役割の方には寛容さを求めてしまいがちですが、ああ、これがもっと率直な人の反応なのだと気づかされました。
友人は私を批判したり否定したりするつもりはなく、ただ自分の考え方や感覚を正直に伝えているだけです。それは私の考え方や感覚に刺激を与えたり、別の可能性を示唆したりする力があります。それは、前述の人々の配慮や助言にはないものだと思います。

その他にも、こんなことがありました。労働を急がせるのはタブーだというのは、ひきこもり支援のマニュアルに書いてあることでしょうし、痛い目にあったことのある当事者としては、支援者がそうしたマニュアルから外れることには警戒しています。

でも、水平に近い立場の人は、「もう少し気軽に働いてみたら?」とか言ってきます。そういう常識的な言葉は、無理解であったり痛いところを突かれるとひきこもり当事者として困ってしまうことも多いでしょうが、援助の立場の人に同じことを言われるよりも怒りにくいですよね。

そこで、「確かにそうかもしれない」と考える視点も持てます。働けないなら働けないで、それを掘り下げられないように会話の上で立ち回るとか考えるわけです。要するに、支援者に求めるような期待を別の立場の人に求めるのをやめて、他の人との関係から新しい見方や考え方を見つけられるのではないかと思います

また、私がひきこもっていることを知っている人に「君の話には人と遊びに行ったりみたいな話がないね」と言われて、それはひきこもっているから当然だろうとその時は私はムッとしました。

でも、それはそれで、一つの関係だけでなく相対化できるようにもう少し付き合いを広げた方が良いのかもしれないと思うようになりました。彼らは私を孤立させたり見下したりするつもりはなく、ただ自分の経験や楽しみを共有したいだけです。それは私の経験や楽しみを広げたり、別の生き方を示唆したりする力があります。それは、前述の人々の配慮や助言にはないものだと思います。
 

 周りの人との距離感を見つけるには


ひきこもりの周りの人との距離感は、難しい問題ですが、私はさまざまな人との関係を通じて学びや気づきが得られることがあると感じています。自分に合った距離感を見つけるためには、自分の気持ちや考え方を素直に伝えたり、相手の気持ちや考え方を尊重したりすることが大切だと思います。

また、ときには自分だけで悩んでしまわないように、信頼できる人に相談したり、専門的な支援を受けたりすることも有効だと思います。

このブログ記事では、私がひきこもりの周りの人との距離感について考えたことをシェアしました。皆さんもぜひコメント欄でご意見やご感想をお聞かせください。最後までお読みいただきありがとうございました。

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