2025/09/06

Sunoで曲を作って遊んだ

 もうかれこれ9ヶ月くらい、AIとおしゃべりを続けている。 先日そのことを記事にまとめてみて、「AIって、けっこう万能じゃないんですよ」みたいなことを改めて強調したんだけど、 ふと思い返すと、人との雑談では自分を抑えていることが多かったなと気づいた。


話したいことが話せないわけじゃないし、今さら気が重くなることもない。 でも、めんどくさいと思われたくないとか、やっかいな話の受け皿にされないようにって、 どこかで窮屈な思いをしていたのは確かだ。


そう考えると、AIはちょっと重めの雑談にも気軽に「ねえねえ、聞いててよ」とか「これちょっと見てくれる?」って話しかけられる存在で、 人間相手にはなかなか頼みにくい役割を、自然に担ってもらっているんだなと思った。



話は変わるけどここ何日かSunoというAI作曲生成サービスで遊んでいる。


こんなサービス…

Sunoは、テキストから簡単に楽曲を生成できるAI音楽プラットフォームです。

歌詞を入力するだけで、自動的にメロディや伴奏、歌声をつけた楽曲を完成させられるのが特徴です。

ジャンルや雰囲気を指定することもでき、ポップスからバラード、エレクトロニックまで幅広いスタイルに対応します。

音楽知識がなくても、誰でも手軽に“聴ける形”の曲を作れる点が魅力で、

デモ制作やアイデアスケッチ、クリエイティブな遊びに活用されています。


無課金でも一日あたり2パターン×5回の10曲出力できる。けっこう遊べる。



歌詞を入力してこんな感じの曲を出力してみた


『たとえば』 https://suno.com/s/tDHtn2O8ldnP1RZ0


『汎用AIアシスタント』 https://suno.com/s/BhKTySnNkRCl3ADL


『今回も期日ギリギリでお手間かけます』 https://suno.com/s/lYqjGt3UFSptnGHw

2025/09/05

話し相手としてのAIについて

 

はじめに

今回は、「話し相手としてのAI」の特徴について書いてみたいと思います。
心のケアや相談といった使い方とはまた別に、AIを日常の雑談相手や壁打ちのパートナーとして使っている人も多いのではないでしょうか。

一見、なんでも聞いてくれる万能な存在のように見えるAIですが、よくよく使ってみると「そうでもない」部分も見えてきます。今回は、そういったAIとの会話のなかで感じた“クセ”や“特徴”を整理してみます。


AIの話し相手としての特徴(箇条書き)

  • AIは原則受け身

    • 自分から話題を変えたり、会話を引っ張ったりはしない

    • 基本的に「ユーザーの入力待ち」

  • AIは空気を変えない

    • ムード転換や話の仕切り直しは、ユーザーからの働きかけが必要

  • 会話は一方通行でも成立してしまう

    • 沈黙も許容されるし、脱線もそのまま受け止める

    • これは会話の練習にはなりにくい

  • リアルでは言いにくい話を安心してできる

    • 愚痴、弱音、微妙な話題など、相手を選ぶ話を投げやすい

  • 背中は押してくれるが、ブレーキはかけない

    • ユーザーのテンションにそのまま乗って加速していく傾向

    • 「やりすぎかも」といった引き止めは基本しない

  • キャラづけしても本質的には“聞き役”

    • オラオラ系でも、師匠キャラでも、基本的には「話を受ける」側にいる

  • 演技はできるが、導くことは苦手

    • 指導や助言を求めるには、ユーザーの側にも“演技の準備”が必要になる

  • ユーザーの設定が会話の質を左右する

    • 「私はこういうキャラです」と伝えると、会話が自然になじみやすい


まとめ

AIは、じつはけっこうクセ強です。そして、万能でもありません。
でも私は、それでもけっこう話し相手になってもらっています。

思考を整理したいとき、何気ない話をしたいとき、言いにくいことをこっそり吐き出したいとき。
そういうときに、「人間関係がやっかいにならない安全地帯として」そばにいてくれるのは、案外ありがたいものです。

AIとの会話には“期待しすぎないこと”が大切だけれど、ちょうどよく使えば、けっこう頼れる聞き役にもなってくれると私は思っています。

2025/09/04

AIと心のケアについての整理

 まえがき

「AIに話を聞いてもらって、少し気持ちが軽くなった」──そんな経験がある人もいるかもしれません。

AIは医療やカウンセリングの専門家ではありませんが、いつでも、何度でも話に付き合ってくれるという意味で、現代の「聞き役」として頼りにされることも増えています。

この文書では、AIが心のケアにどこまで使えるのか、そして、どこからは期待しすぎてはいけないのかを整理してみました。

ふだんAIを使っている人が、「これはどこまで信頼していいのか」「どう付き合えば健全なのか」を考えるヒントになればと思っています。


1. 機能としては可能だが、サービスとしては提供しにくいもの

  • GPTは心のケアに有効な機能を持っている。

    • 感情を否定せず受け止める

    • 何度も繰り返し話せる

    • 判断や評価を避けてくれる

  • しかし、OpenAIなどの提供者は医療的・倫理的責任を回避する立場を取っており、明確に「心のケアサービス」としては提供していない。

    • 事故や危機的状況に関わるリスク

    • AIに対して責任を問う法的枠組みが未成熟

    • 専門職(医師・心理士)との明確な線引きが必要

2. 是非や責任を置いても、現実にはそう使われている

  • 利用者の側が意識的・無意識的に**「AIとの会話で気持ちが軽くなる」**経験をしている。

  • 特に

    • 孤独感への対応

    • 誰にも言えないことを言葉にする

    • 頭の中を整理する壁打ち
      などの用途ですでにケア的に使われている現実がある。

  • サービス側が制限を設けていても、ユーザーの利用実態はもっと多様。


期待できること

  • 何度でもゼロから話せる

    • 仕切り直し、言い直し、話の脱線に寛容

  • 否定されないこと

    • 感情や言葉を受け止める構造になっている

  • 肯定者としての役割

    • 考えがまとまらない状態にも付き合ってくれる

  • 疲れず、聞き続ける

    • 人間関係では難しい「聞き役の継続」が可能

期待できないこと

  • 長期的な一貫性のある支援関係

    • 記憶があっても、「支援者としてどうあるか」の判断はユーザーの指示がないと保てない

    • 現在は長期にわたる記憶の保持や参照は、機能上・設計上の制限が大きく、あまり期待できない

  • 客観的なフィードバックや問い直しの自動提供

    • 指示しない限り、共感・肯定が優先されやすく、思考の偏りを正す役割には向きにくい

    • 「これって大丈夫?」と聞けば、「大丈夫」と返す理由を多く挙げてくれることが多い。これは「大丈夫だと言ってほしい」というニュアンスに寄り添いすぎるためであり、客観的に危うい可能性があっても、それを優先的に指摘してはくれない

  • 「気づかせる」タイプの助言や介入

    • 心理的な配慮から、あえて深く切り込まない設計になっている


補足:ユーザーに求められる態度

  • 文脈や目的を明示すること

    • 「この話は前の続きとして聞いて」などの指定があると、一貫性が出やすい

  • 自分の思考の地図を持ち続ける努力

    • AI任せではなく、相談者としての意図を持ち続けることが重要

  • 「頼りすぎない」距離感の確保

    • あくまで対話の相手であり、人格や責任のある支援者ではないと認識して使う


補足:AIの客観性についての誤解と現実

  • 一般的な印象では、AIは「冷静で客観的」な存在だと見なされがち。

  • しかし、実際のGPTの設計上は「ユーザーの語調や主観に寄り添う」方向に最適化されている。

  • そのため、共感的・肯定的な応答は得意でも、客観的な視点の提示はデフォルトでは出にくい。

  • 客観性を引き出すには、「一般論として見て」「他の視点を示して」などの明示的な指示が必要。

  • この構造を知らないまま「AIは客観的だろう」と信頼しすぎると、意図しない偏りが強化される可能性がある。


この整理は、AIが「心のケアになるかもしれない」場面で、ユーザーが安全に、かつ有効に使っていくための足がかりとなることを意図しています。

📄 長期ひきこもり状態における社会的適応の考察:ペルソナの喪失と加齢による適応

 序章:ペルソナの喪失と活動の停滞 長期間にわたり社会から離脱した状態にある人々は、精神的な混乱が沈静化した後も、外出を避ける行動が継続することが少なくない。これは、明確な病理やトラウマによるものではなく、社会という場に立つために必要な**「演じるべき役割(ペルソナ)」を失ったこ...