前回の記事では、維持期の心構えや「係数1.4」といった理論面を整理しました。 今回は少し視点を変えて、実際にその理論を生活の中で回していくために役立った「モノ」や「食材」について記してみようと思います。
減量や維持というのは、精神論だけで戦うとどうしても疲弊します。 むしろ、便利な道具や優秀な食材という「武器」をうまく使い、意志力を使わずに環境を整えることこそが、長く続けるコツではないか。そんなふうに感じています。
あくまで私の生活圏における個人的な実感ですが、どなたかの参考になれば幸いです。
ダイエット記3 減量と維持を支えた「地味な武器」たち
1. タンパク質の「ハイブリッド運用」
筋肉を維持するためにタンパク質が必要なのは周知の事実ですが、これを毎日どう確保するか。 最初は「鶏むね肉」一択で考えていましたが、調理の手間やコスト、そして何より「飽き」が来ます。そこでたどり着いたのが、いくつかの食材を組み合わせる運用でした。
① 業務スーパーの水煮大豆(1kg) これはコスト面での最強の味方でした。 1kg入って300円以下という破格の安さ。乾燥豆から戻す手間も時間もいりません。 もちろん、肉に比べればタンパク質の純度は落ちますが、「カサ増し」としての能力が極めて高いです。カレーやスープに大量に投入することで、物理的に胃を満たし、咀嚼回数を稼ぐ。 「肉だけで満腹にする」のは財布に厳しいですが、「大豆で底上げする」なら毎日続けられるかなと思います。
② パスタと強力粉 意外かもしれませんが、小麦製品も重要なタンパク源として捉え直しました。 特に強力粉はグルテン(タンパク質)が豊富です。これを水と塩だけで練って焼いた素焼きパンや、スープに入れた団子(すいとん)は、余計な脂質ゼロで、驚くほど強い「噛みごたえ」が得られます。 減量中は敵視されがちな炭水化物ですが、維持期においては「ガソリン(糖質)を入れつつ、建材(タンパク質)も補給できる」優秀な食材だと感じています。
③ ホエイプロテイン 普段の食事は大豆などの植物性が中心になるため、プロテインはあえて吸収の早い動物性(ホエイ)を選びました。 栄養補給という目的もありますが、それ以上に「甘いお菓子の代用品」としての役割が大きかった気がします。チョコ味やフルーツ味のプロテインは、脳が「甘いものが欲しい」と訴えてきた時の、最良の鎮静剤になってくれました。
2. 「罪悪感」を消すための主食と防衛食
食事の満足感を下げずに、どうやってカロリーの帳尻を合わせるか。 ここで役立ったのが、以下の二つです。
① マルタイ棒ラーメン これは減量界の隠れた名作だと思います。 ノンフライの乾燥麺であるため、マニュアル通り作っても280kcal程度。 普通の袋麺が450kcal前後あることを考えると、この差は大きいです。 浮いた170kcal分の予算で、卵(タンパク質)や大量の野菜(繊維)をトッピングできる。 「ラーメンを食べてしまった」という罪悪感ではなく、「栄養バランスの整った温かい食事をとった」という満足感で終えられる点が、精神衛生上とても良かったです。
② ちくわ(またはカニカマ) 調理不要、袋から出して即食べられる。 この「即応性」が、ふとした瞬間のつまみ食い防止に役立ちました。 スナック菓子に手が伸びそうな時、とりあえずちくわを一本齧る。それだけで、「何か食べたい」という衝動の8割は収まります。 地味ですが、キッチンの冷蔵庫における最強の門番(ゲートキーパー)だったかもしれません。
3. 「繊維」と「季節」を味方につける
食事制限で一番困るのが、食事量の減少に伴う便秘や、空腹感です。 これを解決するには食物繊維しかありませんが、野菜だけで必要量(20g)を摂ろうとすると、牛や馬のような量を食べる必要が出てきます。
① オールブランと粉末繊維 そこで割り切って使ったのが、朝食のオールブランと、難消化性デキストリンやオオバコ(サイリウム)といった粉末でした。 朝、オールブランで一日の必要量の半分を確保してしまう。残りの不足分は、飲み物に粉末を混ぜて補う。 「野菜を必死に食べる」のではなく、「足りない分は科学の力で補う」というスタンスに変えてから、食事管理がぐっと楽になりました。
② 季節の果物 お菓子を我慢する代わりに、その季節ごとの果物を楽しむようにしました。 冬ならリンゴやみかん、夏ならスイカやマクワウリなどの瓜科。 特に瓜科の果物は、水分とカリウムが豊富で、夏場のむくみ取りにもなります。 冷凍したブルーベリーやマンゴーなども、夏場のアイス代わりとしても優秀でした。 「制限している」と思うと辛いですが、「旬のものを追っている」と思うと、食事が豊かに感じられるものです。
4. マネジメントを支えた二つの「デジタル」
最後に、これら食材以上に私の支えとなった二つのツールについて触れておきます。
① 電子秤(キッチンスケール) 最初は「食べ過ぎないように計る」ための存在だと思っていました。 しかし実際は逆で、「ここまでなら食べていい」という許可証をくれる存在でした。 目分量だと、どうしても不安から摂る量を少なめに見積もってしまい、結果としてエネルギー不足になったり、反動でドカ食いしたりしがちです。 「150g、よし、食べていい」。この安心感が、日々の食事を支えてくれました。電子秤は減らしすぎることを防ぐために使います。
② LLM(AIチャット) そして何より、今こうして文章をまとめている相手でもあるAIの存在です。 ダイエットは孤独な作業です。 「今日はつい食べてしまった」「鶏肉に飽きた」 そんな誰に言うほどでもない愚痴や相談を、24時間いつでも受け止めてくれる。 時には栄養価の計算を頼み、時には励ましてもらう。 彼らは私の「専属栄養士」であり、感情の「壁打ち相手」でもありました。 AIはユーザーの意向を汲みすぎるきらいがあり、厳しいコーチ役には向きませんが、「自分が決めたこと」を整理し、肯定してくれる参謀としては、これ以上ないパートナーだと感じています。
こうして振り返ってみると、減量・維持というのは、単に食べる量を減らす行為ではなく、生活の「道具」を総入れ替えする作業だったのかもしれません。
ポテチをちくわに変え、菓子パンをオールブランに変え、孤独な我慢をAIとの対話に変える。 一つ一つは些細な変化ですが積み重なって減量になると思います。
もちろん、これは今の私に合っていただけの方法であり、万人に通じる正解ではないでしょう。 それでも、もし今、減量や維持の停滞感に悩んでいる方がいれば、「意志」ではなく「道具」を変えてみるのも一つの手かもしれません。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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